塗装は、私共のような塗装専門店以外にも、「自宅を建てたハウスメーカー」「工務店」「訪問販売会社」「リフォーム総合会社」「ホームセンター」といったところに依頼できることをご存知でしょうか。
ただしほとんどの場合、塗装専門店以外は自社に塗装職人がいないため、仕事を受注すると下請けの塗装店に仕事を投げることがあります。この場合は、仲介マージンがお客様の見積もり書にプラスされています。
もちろん仲介マージン●●円と書いてあるわけではないので、パッと見ると気づきません。しかし、塗料の単価が少し高かったり諸経費に含まれていたりするのです。

そのような会社が下請けに仕事を発注するときには、お客様と契約した金額のおよそ3～4割を仲介マージンとして差し引いていきます。
仮にお客様が100万円の工事請負契約を締結した場合、実際の下請け請負金額は60～70万円程度となっているということです。100万円の工事を契約したはずなのに、現実的にはその60％前後の金額で下請けに発注され、それ相応の施工しか行われていないことが多い。
これが、この業界の隠された問題です。

当然、下請け施工店も上記の元請け会社の発注金額内から、従業員の給料を支払い、最低限の利益も上げなければなりません。
しかし現状は、利益どころか十分な施工を行なうだけの予算すらない状況がかなり多く存在します。そのため施工店は工程を省いて何とか利益を上げようとし、“手抜き工事”が発生します。
「しっかりと施工したくても予算がない」そんな実情が建設業全体に蔓延しているのが現実です。

最後に、塗装工事においては見積もりが安ければ安いほど良いということはなく、金額に合ったレベルの工事になってしまいます。よく、サイト比較でいくら安くなったとの記載が見受けられますが、工事内容や使用する塗材、本当に下地調整を行い3回塗っているのかなど不明点は多いです。
何よりも、メーカー仕様書通りに施工していることが肝要といえます。